家紋の意味
三階松(さんがいまつ)の家紋の意味と由来
松の枝葉を三段に重ねた、どっしりとした家紋が「三階松」です。冬でも緑の葉を保つ松は、長寿とめでたさの象徴でした。意味や由来、紋の種類と見分け方、どんな家に多いかをやさしく紹介します。
三階松の意味と由来
三階松は、横に広がる松の枝葉を、上から三段に重ねた形の家紋です。松紋(まつもん)という系統に入ります。
松は一年中、緑の葉を保つ常緑の木です。雪が降っても枯れないことから、変わらない心や、長生きの象徴とされてきました。「千年の齢(よわい)を保つ」とも言われ、鶴や亀と並ぶ長寿の印です。お正月に門松を飾るのも、松がめでたい木とされてきたからです。
松は、神さまが降りてくる「依代(よりしろ)」とも考えられてきました。能舞台の奥の板に大きな松が描かれているのも、その考えに通じるとされます。「松」が「待つ」に通じ、神を待つ木だという説もあります。
こうした意味から、松は家の長い繁栄を願う紋として好まれました。三階松は、枝が段々に重なるようすが、家が代々重なって栄えていくことを表しているとも受け取れます。
松は、着物や器、絵画などでもめでたい題材として好んで描かれてきました。松竹梅の筆頭に数えられるのも、冬の寒さに負けない姿が尊ばれたからだとされます。
三階松の形と種類
松紋には、とても多くの種類があります。三階松と見分けたいものを中心に挙げます。
- 三階松:枝葉を三段に重ね、幹は短く描かれることが多い形です。
- 丸に三階松:三階松を丸で囲んだ形です。
- 一つ松:枝葉を一つだけ描いた、シンプルな形です。
- 若松(わかまつ):若い松の芽や小枝を描いた形です。
- 根上り松(ねあがりまつ):根が地面から持ち上がった松を描いた形です。
- 抱き松:松の枝を左右から抱き合わせた形です。
- 松葉:細い松の葉を組み合わせた形です。
三階松を見分けるときは、枝葉の段がいくつあるかを数えます。三段なら三階松、二段なら二階松、五段なら五階松と呼ばれます。
なお、「松皮菱(まつかわびし)」は名前に松が入りますが、ひし形を重ねた菱紋の仲間で、松の木を描いたものではありません。
三階松を使ってきた家
松紋は、日本の家紋の中でも広く使われてきた紋のひとつです。特定の一家だけの紋ではなく、武家・公家・町人と、身分を問わず多くの家で用いられました。
とくに、松本・松尾・松村・松原・松田など、苗字に「松」の字が入る家で松紋が使われることが多いと言われます。家紋は苗字の字にちなんで選ばれることがよくあり、松はその代表的な例です。
また、松をご神木とする神社にゆかりのある家や、神職の家でも、松紋が選ばれることがあったと考えられます。めでたさと長寿を表す紋なので、家の繁栄を願って新たに選んだ家もあったでしょう。
ただし、三階松を使っているからといって、特定の家の流れだと決めることはできません。同じ松紋でも、段の数や丸の有無、枝の描き方は家ごとに違います。
自分の家の紋が三階松なのか、ほかの松紋なのかは、お墓の墓石や、喪服・留袖など紋付きの着物で確かめるのがいちばんです。親戚に紋の入った品が残っていないか聞いてみるのもよいでしょう。
三階松にゆかりの神社・寺
高砂神社
兵庫県高砂市
一つの根から雌雄の幹が伸びる「相生の松」で知られる社。松は夫婦和合と長寿の木とされる。
三階松が出る苗字
継紋で苗字を入れたとき、三階松が候補に出る苗字の一部です。リンクのある苗字は、その苗字の家紋の記事に進めます。
※ 苗字に多い紋の目安です。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
よくある質問
Q. 三階松と五階松の違いは何ですか?
枝葉を重ねた段の数の違いです。三段なら三階松、五段なら五階松と呼びます。紋を見るときは段の数を数えてみてください。
Q. 松の家紋にはどんな意味がありますか?
冬でも緑を保つことから、長寿や変わらない心の象徴とされます。神さまが降りてくる依代とも考えられてきました。
Q. 苗字に「松」がつくと家紋は松紋ですか?
松紋を使う家が多いと言われますが、必ずではありません。家紋は家ごとに違うので、墓石や着物で確かめるのが確実です。