家紋の意味
源氏車(げんじぐるま)の家紋の意味と由来
中心から放射状の線が並ぶ、車輪の形をした家紋が「源氏車」です。平安時代の貴族が乗った牛車の車輪がもとになっています。意味や由来、紋の種類と見分け方、使ってきた家をやさしく紹介します。
源氏車の意味と由来
源氏車は、牛車(ぎっしゃ)の車輪をかたどった家紋です。車紋(くるまもん)という系統に入り、「御所車(ごしょぐるま)」とも呼ばれます。
牛車は、平安時代の貴族が乗った、牛に引かせる乗り物です。大きな木の車輪がついていて、身分の高い人だけが乗ることができました。
「源氏車」という名前は、平安時代の物語『源氏物語』などに描かれた貴族の世界を思わせることから、こう呼ばれるようになったと言われます。源氏の一族だけの紋という意味ではありません。
牛車の車輪は、絵巻物や着物の文様としても好まれ、優雅な王朝文化の象徴とされてきました。車輪はくるくると回り続けることから、めぐり続ける時や、物事が円滑に進むことを表すとも考えられます。
家紋としての源氏車には、優美さへのあこがれと、家が絶えずめぐり続いていくことへの願いが込められているといえるでしょう。
源氏車の文様は、着物の柄としても人気があります。車輪に花を添えた「花車」の柄など、華やかな意匠にも使われ、晴れ着の文様として今も親しまれています。
源氏車の形と種類
車紋には、輪の描き方や組み合わせによっていくつかの形があります。主なものを紹介します。
- 源氏車:外側の輪と、中心から放射状にのびる線(輻、や)で描いた車輪の形です。
- 丸に源氏車:源氏車を丸で囲んだ形です。
- 半車(はんぐるま):車輪の半分だけを描いた形です。
- 陰源氏車:輪郭だけを細い線で描いた形です。
- 水車(みずぐるま):水をくみ上げる車を描いた形で、源氏車とは別の車紋です。
源氏車を見分けるときは、中心から外へのびる線の本数を数えます。家によって八本、十二本など、線の数が違います。
似た紋に、日足紋や九曜紋があります。日足紋は中心から光の線がのびますが、外側の輪がありません。源氏車は外側にしっかりした輪があり、中心にも小さな輪(こしき)が描かれるのが目印です。
源氏車を使ってきた家
源氏車は、江戸時代に徳川家に仕えた榊原氏(さかきばらし)の紋として知られます。榊原康政は、徳川四天王のひとりに数えられる武将です。
また、源氏車は佐藤という苗字の家で使われることが多いと言われます。佐藤氏は藤原氏の流れをくむとされる家が多く、そうした家で車紋が受け継がれてきたという説があります。ただ、すべての佐藤家が源氏車というわけではありません。
苗字に「車」の字が入る家で、名前にちなんで車紋を使う例もあるようです。家紋は苗字の字や響きにあやかって選ばれることがよくありました。
ただし、源氏車を使っているからといって、特定の家の子孫だと決めることはできません。家紋はあやかりや主従関係など、さまざまな理由で選ばれてきました。
自分の家の紋が源氏車なのか、ほかの車紋なのかは、家ごとに違います。お墓の墓石や、紋付きの着物で実際の形を確かめるのがいちばんです。
源氏車が出る苗字
継紋で苗字を入れたとき、源氏車が候補に出る苗字の一部です。リンクのある苗字は、その苗字の家紋の記事に進めます。
※ 苗字に多い紋の目安です。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
よくある質問
Q. 源氏車は源氏の一族の紋ですか?
そうではありません。平安貴族の牛車の車輪をかたどった紋で、王朝文化を思わせることから源氏車と呼ばれるようになったと言われます。
Q. 源氏車はどんな家で使われてきましたか?
徳川家に仕えた榊原氏の紋として知られます。佐藤姓の家で使われることが多いとも言われますが、家ごとに違います。
Q. 源氏車と日足紋はどう見分けますか?
源氏車には外側にしっかりした輪があります。日足紋は中心から光の線がのびますが、外側の輪はありません。