家紋の意味
宝珠(ほうじゅ)の家紋の意味と由来
玉ねぎのように先がとがった、丸い珠をかたどった家紋が「宝珠紋」です。願いを叶える珠として、仏教とともに伝わりました。意味や由来、紋の種類と見分け方、どんな家で使われてきたかをやさしく紹介します。
宝珠紋の意味と由来
宝珠紋(ほうじゅもん)は、宝珠をかたどった家紋です。
宝珠は、正式には「如意宝珠(にょいほうじゅ)」と言います。「如意」とは、思いのままにという意味です。どんな願いでも思いのままに叶えてくれる珠として、仏教の経典に出てきます。
宝珠は、仏さまの持ち物としてもよく描かれます。たとえば地蔵菩薩や吉祥天は、手に宝珠を持った姿で表されることがあります。お寺の塔のてっぺんや、橋の欄干(らんかん)の柱の上にのっている「擬宝珠(ぎぼし)」も、宝珠の形をまねたものだとされます。
また、稲荷神社では、狐が宝珠をくわえた姿の像がよく見られます。宝珠は、福や豊かさをもたらすものとして、神社でも大切にされてきました。
家紋としての宝珠には、願いが叶うこと、福徳(幸せと豊かさ)に恵まれることへの願いが込められていると考えられます。
宝珠は、お寺の屋根の飾りや、仏具、お守りなどにも使われる身近な形です。丸い玉の上がとがった形を見かけたら、それは宝珠をかたどったものかもしれません。
宝珠紋の形と種類
宝珠紋には、珠の数や、組み合わせる模様によっていくつかの形があります。主なものを紹介します。
- 宝珠:珠を一つ描いた、基本の形です。
- 三つ宝珠:三つの珠を、三角形になるように組み合わせた形です。
- 火焔宝珠(かえんほうじゅ):珠のまわりに炎を描いた形です。
- 丸に宝珠:宝珠を丸で囲んだ形です。
- 宝珠に模様入り:珠の中に巴などの模様を入れた形です。
宝珠紋を見分ける目印は、下が丸く、上に向かってとがった形です。先がくるりと少しねじれたように描かれることもあり、横に筋が入っていることもあります。
似た紋に、巴紋や玉の紋があります。巴紋は勾玉のような渦の形です。上がとがった丸い珠であれば宝珠紋と考えてよいでしょう。
宝珠は「宝尽くし」という吉祥文様の中にも描かれます。着物や器の柄で見かけることも多い形です。
宝珠紋を使ってきた家
宝珠紋は、家紋の中では数が多いほうではありません。特定の有名な一家の紋として広く知られているというより、いくつかの家で使われてきた紋です。
使われる家としては、苗字に「宝」の字が入る家など、名前にちなんで選んだ例が考えられます。家紋は、苗字の字や響きにあやかって選ばれることがよくありました。
また、仏教に由来する紋なので、お寺とゆかりのある家が選ぶこともあったと考えられます。稲荷神社の神紋として宝珠が使われる例もあり、稲荷信仰と関わりのある家や、商売繁盛を願う商人の家で好まれたとも言われます。
ただし、宝珠紋を使っているからといって、特定の家の子孫だと決めることはできません。家紋は家ごとの事情で選ばれ、時代とともに変わることもありました。
自分の家の紋が宝珠なのか、巴などほかの紋なのかは、家ごとに違います。お墓の墓石や、紋付きの着物で実際の形を確かめるのがいちばんです。
宝珠が出る苗字
継紋で苗字を入れたとき、宝珠が候補に出る苗字の一部です。リンクのある苗字は、その苗字の家紋の記事に進めます。
※ 苗字に多い紋の目安です。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
よくある質問
Q. 宝珠とは何ですか?
正式には如意宝珠と言い、どんな願いでも思いのままに叶えるとされる仏教の珠です。仏さまの持ち物としても描かれます。
Q. 宝珠紋と稲荷神社は関係がありますか?
稲荷神社では狐が宝珠をくわえた像がよく見られ、宝珠を神紋とする例もあります。福をもたらすものとされてきました。
Q. 擬宝珠(ぎぼし)とは何ですか?
橋の欄干の柱の上などにのっている飾りです。宝珠の形をまねたものだとされます。お寺の塔の上にも似た形が見られます。