家紋の意味
輪違い(わちがい)の家紋の意味と由来
輪違いは、二つの丸い輪を、少しずらして重ね合わせた家紋です。とても単純な形ですが、人と人の縁が結ばれる様子を表す、あたたかな意味をもつ紋とされます。この記事では、輪違いの意味と由来、種類、使ってきた家を紹介します。
輪違いの意味と由来
輪違い(わちがい)は、二つの輪を横に少しずらして重ね、組み合わせた形の紋です。二つの輪がからみ合い、離れずにつながっているように見えます。
この形から、輪違いには縁が結ばれて解けないさまが表されているとされます。人と人、家と家とが結ばれ、仲よく調和すること、つまり和合(わごう)と結束の意味をもつ紋と言われます。
輪をつなげた模様は、家紋が広まる前から着物や調度品の文様として使われていたとされます。輪がどこまでも連なっていく「七宝(しっぽう)つなぎ」の文様も、輪を重ねる考え方とつながりがあると言われます。
形がとても単純で、誰にでも描きやすいことから、輪違いは古くから使われてきた紋と考えられています。飾りの少ないすっきりとした形は、見る人に落ち着いた印象を与えます。
また、「わ」という音が「和」に通じることから、平和や調和を願う気持ちを重ねる見方もあります。
輪違いの形と種類
輪違いの基本は、二つの輪を横に並べて、まん中で重なり合うようにした形です。輪の太さや数、組み合わせ方によって、いくつかの種類があります。
主なバリエーションには、次のようなものがあります。
- 輪違い:二つの輪を重ねた基本の形。
- 丸に輪違い:輪違いを丸で囲んだ形。
- 三つ輪違い:三つの輪を組み合わせた形。
- 持ち合い輪違い:輪どうしが持ち合うように組み合わさった形。
- 陰輪違い:輪を細い線で描いた、すっきりした形。
見分けるときは、まず輪の数を数えます。次に、輪の線が太いか細いか、輪が横に並ぶか縦に並ぶか、外側が丸で囲まれているかを確かめてください。
なお、似た名前の「輪」の紋には、単純な一つの輪の「丸」や、輪の中に別の図柄を入れた紋もあります。輪違いは、二つ以上の輪が重なり合っていることがいちばんの目印です。
輪違いは形が単純なため、線の太さが少し違うだけで印象が大きく変わります。墓石と着物で見え方が違うこともあるので、両方を見比べてみてください。
輪違いを使ってきた家
輪違いを使った武家としてよく知られるのは、脇坂家です。戦国時代の武将・脇坂安治の家は、輪違いの紋を用いたことで知られます。
また、輪違いは苗字に「輪」や「和」の字・音をもつ家で使われることもあるとされます。アプリで輪違いが候補に出る苗字にも、脇坂のほか、輪島や輪田、和久など、「わ」の音を含む名前が並んでいます。名前の音と紋の名前が重なる、わかりやすい組み合わせと言えるでしょう。
ただし、輪違いを使っているからといって、脇坂家の子孫と決めることはできません。輪違いは形が単純で古くから使われてきた紋なので、さまざまな家が、縁起のよい意味や形の好みから選んできたと考えられます。同じ苗字でも、家によって紋が違うことはよくあります。
家紋は家ごとに違うので、ご自分の家の紋を知りたいときは、お墓の墓石や、喪服・留袖などの着物に入っている紋を確かめるのがいちばんです。輪の数や太さも、あわせて見てみてください。
輪違いが出る苗字
継紋で苗字を入れたとき、輪違いが候補に出る苗字の一部です。リンクのある苗字は、その苗字の家紋の記事に進めます。
※ 苗字に多い紋の目安です。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
よくある質問
Q. 輪違いの家紋にはどんな意味がありますか?
二つの輪が重なり合って離れない形から、縁が結ばれて解けないさまを表すとされます。人や家どうしの和合と結束を願う紋です。
Q. 輪違いはどんな家が使ってきましたか?
戦国武将・脇坂安治の脇坂家の紋として知られます。形が単純で古くから使われてきた紋なので、ほかにもさまざまな家で用いられてきました。
Q. 輪違いと七宝はどう違いますか?
輪違いは二つ前後の輪を重ねた紋です。七宝は輪を四方につなげて重ねた文様で、輪違いと同じく輪を重ねる考え方から生まれた仲間とされます。