家紋の意味
三つ鱗(みつうろこ)の家紋の意味と由来
三つ鱗は、三角形を三つ、ピラミッドのように積み重ねた家紋です。とても簡潔な形ですが、蛇や龍の鱗を表した、力強い意味をもつ紋とされます。この記事では、三つ鱗の意味と由来、鱗紋の種類、使ってきた家をわかりやすく紹介します。
三つ鱗の意味と由来
鱗(うろこ)紋は、蛇や龍、魚の鱗をかたどった紋です。三角形を鱗に見立て、それを組み合わせて描きます。
蛇は脱皮をくり返して成長することから、生まれ変わり、再生の象徴とされてきました。また、蛇や龍は水の神様の使いとも考えられ、神秘的な力をもつ生き物とされました。そこから鱗紋には、厄除けや魔除けの意味が込められていると言われます。
三つ鱗には、よく知られた言い伝えがあります。鎌倉幕府の執権をつとめた北条氏の北条時政が、江の島に参籠(こもって祈ること)した折、美しい女性の姿をした弁財天が現れ、子孫の繁栄を告げたあと、大蛇となって去り、あとに三枚の鱗が残されていたというものです。時政はこれを紋にしたと伝えられます。この話は『太平記』に見える伝承とされ、江島神社とゆかりのある話として知られます。
三角形の鱗の文様は、古くから魔除けの模様としても使われてきたと言われます。
三つ鱗の形と種類
三つ鱗は、三つの三角形を、上に一つ、下に二つと積み上げた形が基本です。鱗紋は三角形の数や形のちがいで種類が分かれます。
主なバリエーションには、次のようなものがあります。
- 一つ鱗:三角形が一つの形。
- 三つ鱗:三つの三角形を積み重ねた基本の形。
- 丸に三つ鱗:三つ鱗を丸で囲んだ形。
- 北条鱗:三角形を横に平たくした形。戦国大名の北条氏の紋として知られます。
- 五つ鱗・六つ鱗:三角形の数をふやした形。
- 違い鱗:三角形を互い違いに組み合わせた形。
見分けるときは、まず三角形の数を数えます。次に、三角形が正三角形に近いか、横に平たいかを確かめてください。平たい形なら北条鱗の可能性があります。最後に、丸で囲まれているかを見ると、細かな種類まで見分けやすくなります。
鱗紋は形がとても簡潔なので、ほかの三角形の模様と見間違えることもあります。家に伝わる呼び名があれば、それをいちばんの手がかりにしてください。
三つ鱗を使ってきた家
三つ鱗は、鎌倉幕府の執権をつとめた北条氏の紋として広く知られます。その後、戦国時代に関東で力をもった北条氏(後北条氏)も、鱗の紋を用いたことで知られます。こちらの北条氏の紋は、三角形を平たくした「北条鱗」と呼ばれます。
アプリで三つ鱗が候補に出る苗字にも、北条や江間など、北条氏とのつながりが語られる名前が見られます。
ただし、三つ鱗を使っているからといって、北条氏の子孫と決めることはできません。鱗紋は厄除け・魔除けの意味をもつ縁起のよい紋として、ほかの家でも使われてきたと考えられます。形がとても簡潔なので、描きやすく、覚えやすいことも広まった理由のひとつでしょう。
家紋は家ごとに違うので、ご自分の家の紋を知りたいときは、お墓の墓石や、喪服・留袖などの着物に入っている紋を確かめるのがいちばんです。三角形が正三角形に近いか、平たいかも、あわせて見てみてください。
三つ鱗にゆかりの神社・寺
江島神社
神奈川県藤沢市
北条時政が参籠した折、大蛇が残した三枚の鱗を紋にしたと伝わる。
三つ鱗が出る苗字
継紋で苗字を入れたとき、三つ鱗が候補に出る苗字の一部です。リンクのある苗字は、その苗字の家紋の記事に進めます。
※ 苗字に多い紋の目安です。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
よくある質問
Q. 三つ鱗にはどんな意味がありますか?
蛇や龍の鱗をかたどった紋です。脱皮して生まれ変わる蛇の力から、再生や厄除け・魔除けの意味が込められているとされます。
Q. 三つ鱗と北条鱗の違いは何ですか?
三つ鱗は正三角形に近い三角形を積み重ねた形です。北条鱗は三角形を横に平たくした形で、戦国時代の北条氏の紋として知られます。
Q. 三つ鱗なら北条氏の子孫ですか?
そうとは限りません。三つ鱗は北条氏の紋として知られますが、厄除けの意味をもつ紋としてほかの家でも使われてきました。紋だけで血筋は決められません。