家紋の意味
五本骨扇(ごほんぼねおうぎ)の家紋の意味と由来
五本骨扇は、五本の骨をもつ扇を広げた形を描いた家紋です。扇は末広がりの形から、昔からおめでたい道具とされてきました。この記事では、五本骨扇の意味と由来、扇紋の種類、使ってきた家をわかりやすく紹介します。
五本骨扇の意味と由来
扇(おうぎ)は、開くと先へいくほど広がる形をしています。この形から、扇は「末広がり」、つまり家や商売がどんどん栄えていくことを表す縁起物とされてきました。結婚式やお祝いの席で扇が飾られるのも、そのためです。五本骨扇は、そんな扇を家紋にした扇紋の代表的な形です。
扇は、ただあおぐための道具ではありませんでした。古くは、神様を招き、神様が宿る道具とも考えられていたと言われます。神事や祭りで扇が使われるのはそのためで、能や舞などの芸能でも欠かせない道具になりました。
また、扇は宮中の儀式で使われる上品な道具でもあり、武士が戦場で軍扇として使うこともありました。優美でありながら力強さもあることから、公家・武家の両方に好まれ、家紋として広まったとされます。
『平家物語』では、源氏方の那須与一が、舟の上に掲げられた扇を射抜く場面が有名で、扇が武家の物語の中でも印象深く描かれてきたことがわかります。
五本骨扇の形と種類
五本骨扇は、五本の骨が見えるように扇を広げ、地紙の部分を上にした形が基本です。扇紋は、扇の数や向き、地紙の模様によってたくさんの種類があります。
主なバリエーションには、次のようなものがあります。
- 五本骨扇:五本の骨をもつ扇を開いた基本の形。
- 丸に五本骨扇:五本骨扇を丸で囲んだ形。
- 日の丸扇:扇の地紙に日の丸を描いた形。
- 五本骨扇に月丸:佐竹家の紋として知られる形。
- 三つ扇:三本の扇を組み合わせた形。
- 檜扇:薄い板を重ねて作った檜扇をかたどった形。
見分けるときは、まず骨の本数を数えてみてください。五本なら五本骨扇です。次に、地紙に丸などの模様があるか、扇がいくつあるか、丸で囲まれているかを確かめます。骨の数は家によって違うこともあるので、よく見比べることが大切です。
扇紋は、骨の本数や地紙の模様のほか、扇の開き具合でも印象が変わります。墓石と着物で見え方が違うこともあるので、両方を見比べてみてください。
五本骨扇を使ってきた家
五本骨扇を使った武家としてよく知られるのは、常陸(今の茨城県)を本拠とした佐竹氏です。佐竹家の紋は「五本骨扇に月丸」として知られ、のちに出羽の秋田藩主となってからも受け継がれました。
佐竹氏の祖とされる源義光が、扇を授かったという伝承が紋の由来とされ、佐竹氏の祈願所であった茨城県の佐竹寺にもその話が伝わっています。
また、扇紋は芸能や儀礼にかかわる家、そして末広がりの縁起から商家などでも好まれたと言われます。アプリで五本骨扇が候補に出る苗字にも、佐竹のほか、扇や末広など、扇にちなむ名前が見られます。
ただし、扇紋を使っているからといって、佐竹氏の子孫と決めることはできません。縁起のよい紋として、さまざまな家が選んできたと考えられます。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
家紋は家ごとに違うので、ご自分の家の紋を知りたいときは、お墓の墓石や、喪服・留袖などの着物に入っている紋を確かめるのがいちばんです。
五本骨扇にゆかりの神社・寺
佐竹寺
茨城県常陸太田市
五本骨扇の佐竹氏の祈願所。源義光が扇を授かった伝承が紋の由来とされる。
五本骨扇が出る苗字
継紋で苗字を入れたとき、五本骨扇が候補に出る苗字の一部です。リンクのある苗字は、その苗字の家紋の記事に進めます。
※ 苗字に多い紋の目安です。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
よくある質問
Q. 扇の家紋にはどんな意味がありますか?
扇は開くと先が広がる形から、末広がりに家や商売が栄えることを表す縁起物とされます。神様を招く道具とも考えられてきました。
Q. 五本骨扇は佐竹氏の家紋ですか?
佐竹氏は「五本骨扇に月丸」の紋で知られます。ただし扇紋はほかの多くの家でも使われており、佐竹氏だけの紋ではありません。
Q. 扇紋の種類はどう見分けますか?
まず骨の本数を数え、次に地紙に日の丸などの模様があるか、扇がいくつ組み合わされているか、丸で囲まれているかを確かめると見分けやすくなります。