家紋の意味
抱き茗荷(だきみょうが)の家紋の意味と由来

抱き茗荷は、二つの茗荷を左右から抱き合わせるように描いた家紋です。名前の音が「冥加(みょうが)」に通じることから、守りの紋として好まれてきました。この記事では、その意味と由来、形の種類、使ってきた家を紹介します。
抱き茗荷の意味と由来
茗荷(みょうが)は、薬味としておなじみの植物です。家紋の茗荷紋は、この茗荷の芽や花をかたどったものとされます。
茗荷紋が好まれた理由として、よく挙げられるのが名前の音です。「みょうが」は、神仏が人を見守り、助けてくれることを表す「冥加(みょうが)」と同じ音です。「冥加に余る」「冥加金」という言葉にも残っています。この音のつながりから、茗荷紋は目に見えない加護を願う、守りの紋として広まったと言われます。
また、茗荷紋は信仰とも結びついて語られます。天台宗の寺でまつられる摩多羅神(またらじん)の紋とされたり、武士が信仰した摩利支天(まりしてん)とのつながりが語られたりします。日光山輪王寺の常行堂は摩多羅神をまつる堂として知られます。
こうした信仰とのつながりも手伝って、茗荷紋は多くの家に広がり、十大紋のひとつに数えられるほどになりました。
抱き茗荷の形と種類
抱き茗荷は、二つの茗荷を左右に置き、根元を合わせて輪のように抱き合わせた形が基本です。茗荷紋にはこのほかにも多くの描き方があります。
主なバリエーションには、次のようなものがあります。
- 抱き茗荷:二つの茗荷が向かい合う基本の形。
- 丸に抱き茗荷:抱き茗荷を丸で囲んだ形。よく見かけます。
- 一つ茗荷:茗荷を一つだけ描いた形。
- 入れ違い茗荷:二つの茗荷を上下逆向きに組み合わせた形。
- 茗荷丸:一つの茗荷を丸く曲げて輪にした形。
抱き茗荷とよく似た紋に杏葉(ぎょうよう)があります。杏葉は馬具の飾りを元にした紋で、二つを向かい合わせた形がそっくりに見えることがあります。見分けるときは、葉に茗荷らしい筋(葉脈)が細かく入っているか、まん中に花が描かれているかを見ると手がかりになります。迷うときは、家に伝わる呼び名を確かめるのが確実です。
茗荷紋は、二つの茗荷の先がふれ合っているか、少し離れているかといった細かな違いもあります。墓石と着物の両方を見られるときは、見比べてみるとよいでしょう。
抱き茗荷を使ってきた家
茗荷紋は、特定の一族だけの紋というより、全国の幅広い家で使われてきた紋です。十大紋のひとつに数えられることからも、その広がりがわかります。
神仏の加護を表す「冥加」に通じることから、信仰心のあつい家や、寺社とかかわりのある家で好まれたとも言われます。また、武家の中にも茗荷紋を用いた家があったとされます。江戸時代には町や村の家でも家紋を使うことが広がり、縁起のよい意味をもつ茗荷紋は選ばれやすい紋だったと考えられます。
アプリで抱き茗荷が候補に出る苗字はさまざまで、特定の地域や家系にかたよっているわけではありません。同じ苗字でも家によって紋は違うので、抱き茗荷が出たからといって、必ずしもご自分の家の紋とは限りません。逆に、苗字が違う家同士が同じ抱き茗荷を使っていることもよくあります。
家紋は家ごとに違うので、ご自分の家の紋を知りたいときは、お墓の墓石や、喪服・留袖などの着物に入っている紋を確かめるのがいちばんです。
抱き茗荷にゆかりの神社・寺
日光山輪王寺 常行堂
栃木県日光市
茗荷は神仏の加護をいう「冥加」に通じるとされる。摩多羅神を祀る堂。
抱き茗荷が出る苗字
継紋で苗字を入れたとき、抱き茗荷が候補に出る苗字の一部です。リンクのある苗字は、その苗字の家紋の記事に進めます。
ほかにも多くの苗字で出ます。
※ 苗字に多い紋の目安です。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
継紋のキャラクター|摩利支天の影

「見えない加護ほど、効くものだ。」
継紋では、抱き茗荷の紋を擬人化したキャラクター「摩利支天の影」に会えます。
つかみどころのない神秘家。いつの間にか隣にいて、いつの間にか消えている。すべてお見通しの目をしている。
ふふ、忘れっぽいのは私じゃなくて君の方だ。
よくある質問
Q. 抱き茗荷にはどんな意味がありますか?
茗荷は、神仏の加護を表す「冥加」と同じ音です。そこから、目に見えない守りを願う縁起のよい紋として広まったと言われます。
Q. 抱き茗荷と杏葉はどう違いますか?
抱き茗荷は植物の茗荷、杏葉は馬具の飾りが元とされる紋です。形がよく似ていますが、茗荷は葉に細かな筋が入るなどの違いがあります。迷うときは家の呼び名を確かめましょう。
Q. 抱き茗荷はめずらしい家紋ですか?
めずらしい紋ではありません。茗荷紋は十大紋のひとつに数えられ、全国の多くの家で使われてきた、なじみのある紋です。