家紋の意味
三つ柏(みつがしわ)の家紋の意味と由来

三つ柏は、柏の葉三枚を放射状に並べた家紋です。柏は昔から神様へのお供えに使われた葉で、神社とのつながりが深い紋として知られます。この記事では、三つ柏の意味と由来、形の種類、使ってきた家をわかりやすく紹介します。
三つ柏の意味と由来
三つ柏は、柏の葉をかたどった柏紋の仲間です。柏の葉は大きくて丈夫なため、昔は食べ物を盛る器のかわりに使われていました。とくに、神様にお供えする食べ物を盛る葉として大切にされてきたと言われます。
神社でお参りするときに手を打つことを「かしわで」と言いますが、これも柏と関係があるという説があります。こうしたつながりから、柏紋は神職の家に多く伝わった神聖な紋とされます。京都の吉田神社に仕えた卜部(うらべ)氏、のちの吉田家も柏の紋で知られます。
柏にはもうひとつ、よく知られた性質があります。秋に枯れた葉が、春に新しい芽が出るまで枝から落ちないのです。この様子が「古いものが新しいものに引き継がれるまで途切れない」と受け取られ、家が絶えずに続いていく願いを込めた縁起のよい紋とされてきました。端午の節句の柏餅も、同じ意味で親しまれています。
三つ柏の形と種類
三つ柏は、三枚の柏の葉を、まん中から三方向へ広げた形が基本です。柏紋は十大紋のひとつに数えられるほど種類が多く、細かな違いで呼び名が変わります。
主なバリエーションには、次のようなものがあります。
- 三つ柏:囲みのない基本の形。
- 丸に三つ柏:三つ柏を丸で囲んだ形。とてもよく見かけます。
- 細三つ柏:葉を細く描いた、すっきりした形。
- 鬼三つ柏:葉のふちのギザギザを強く描いた力強い形。
- 抱き柏:二枚の葉で左右から抱きかかえるような形。
- 違い柏:二枚の葉を交差させた形。
見分けるときは、葉の枚数と並べ方をまず見ます。三枚が放射状なら三つ柏、二枚が向き合っていれば抱き柏です。次に、葉の太さやふちのギザギザ、丸で囲まれているかを確かめます。柏の葉は、ふちが波のようにうねっているのが目印です。
柏紋は種類が多いため、遠くから見ると同じに見えることもあります。写真を撮って拡大し、葉のふちや葉脈の描き方を落ち着いて見比べると、違いに気づきやすくなります。
三つ柏を使ってきた家
柏紋は、まず神社に仕える神職の家に多く伝わったとされます。先にふれた吉田家のほか、各地の神社の社家(代々神職を務める家)で柏紋が使われてきたと言われます。
武家では、土佐藩の山内家が三つ柏を用いたことで知られます。山内家の柏は「土佐柏」と呼ばれることもあります。また、牧野家も丸に三つ柏の紋で知られます。
ただ、三つ柏は十大紋に数えられるほど広く使われた紋で、全国のさまざまな家に見られる紋です。三つ柏を使っているからといって、特定の家の子孫と決めることはできません。江戸時代以降は、縁起のよい意味や形の美しさから選ばれることも多かったと考えられます。
家紋は家ごとに違うので、ご自分の家の紋を知りたいときは、お墓の墓石や、喪服・留袖などの着物に入っている紋を確かめるのがいちばんです。本家や親戚の家の紋と見比べると、丸の有無などの違いに気づくこともあります。
三つ柏にゆかりの神社・寺
吉田神社
京都府京都市
柏は神前に供物を盛る葉。神職を務めた卜部(吉田)家ゆかりの社。
三つ柏が出る苗字
継紋で苗字を入れたとき、三つ柏が候補に出る苗字の一部です。リンクのある苗字は、その苗字の家紋の記事に進めます。
ほかにも多くの苗字で出ます。
※ 苗字に多い紋の目安です。同じ苗字でも、家ごとに紋は違います。
継紋のキャラクター|継ぎの守り人

「新しい芽が出るまで、私は落ちません。」
継紋では、三つ柏の紋を擬人化したキャラクター「継ぎの守り人」に会えます。
静かで誠実。神職の血を引く落ち着いた気配をまとう。言葉を選び、約束は必ず守る。怒ると誰よりも静かになる。
家が続くというのは、奇跡の連続です。
よくある質問
Q. 三つ柏にはどんな意味がありますか?
柏は新しい芽が出るまで古い葉が落ちないことから、家が途切れずに続く願いが込められているとされます。神様へのお供えに使われた葉でもあります。
Q. 三つ柏と丸に三つ柏は違う家紋ですか?
図柄は同じ三つ柏で、丸で囲むかどうかが違います。家によって使い分けが違うので、ご自分の家がどちらかは墓石や着物で確かめてみてください。
Q. 三つ柏は神社の家の紋ですか?
神職の家に多く伝わった紋とされますが、武家や一般の家でも広く使われました。三つ柏だから神職の家系、と決めることはできません。